登記簿謄本を翻訳した後、公証が必要となる場合があります。 ここでは、その公証に関する説明をいたします。
公証役場での公証について
まず、翻訳された登記簿謄本(翻訳文書)の位置付けについてですが、民間の翻訳者なり翻訳会社なりが作成した翻訳文書は、作成された時点では 「私文書」
ということになります。 そして、それに翻訳証明書のような鑑がついて、署名権者により署名されると 「私署証書」 となります。 でも、この段階、つまり単なる私署証書の段階では、その署名が本当に署名権者により署名されたものなのか法的に証明するのが難しいので信頼性に欠けます。
そのため、法的責任が問われるような書類だと、この信頼性を担保するため、公証制度により、その署名が本当に署名権者により署名されたものであることを保証するということが行われます。
プロセス的には、公証人が署名権者の身分証明資料や署名権者への質問を行ったりして本人確認を行い、その上で署名権者の署名を確認し 「確かにこの署名は署名権者本人が行ったものであることに間違いない」
というお墨付きの認証文書を、公証対象の文書と一緒に綴じ込むことになります。
ところで、普通、登記簿謄本の翻訳文書に対する公証というと、上記のように、認証対象の文書になされた署名がニセモノではないことを公証人が認証し、署名により効力を発する当該文書の法的責任を明確にするという方法で行われるわけですが、公証役場で受けられる私署証書の認証は、この一般認証の他に宣誓認証というのもあります。
あまり宣誓認証は登記簿謄本の翻訳文書に対する公証には関係ないのですが、ご参考までにご説明いたしますと、宣誓認証は、認証を受けようとする人が、かかる書類の内容にまで立ち入って
「嘘偽りが無い」 ことを公証人の前で誓うもので、たとえば 「証言を記した文書」 のようなものに利用されます。
さて、話を一般認証に戻し、署名権者について。 署名権者というのは、その文書に書かれた内容に責任を持つ人ですね。 翻訳の世界の場合、その文書を翻訳した翻訳者本人が翻訳責任を持ち、署名権者になるというのが最もストレートでわかりやすいと言えます。
翻訳会社ソリュテックでも、この翻訳者が署名権者として公証役場に出向いて公証を取り付けるというのが、最もベーシックな公証手段として用いられています。
ちなみに、翻訳者本人ではなく翻訳会社として、会社に所属する役員や従業員が署名する方法もありますが、その方法は若干手間とコストがかかるため、特に翻訳会社の名前の下で公証を受ける必要がなければ、また、翻訳者が公証役場に行けないような事情が無ければ、先の翻訳者が署名権者となる方法の方が望ましいと考えられます。
と、いうことで、翻訳者が署名権者となる方法についてお話を進めたいと思います。 翻訳者が署名権者となる方法の場合、翻訳者が自ら公証役場に行って公証を受けるのが最もシンプルなスタイルです。
翻訳会社ソリュテックでは、翻訳から公証取付まで一貫して行うことが可能で、公証取付オプションをお付けになられますと、翻訳後、お客様に翻訳文書をご確認いただき、特に修正すべき所がなければ、翻訳者が自ら公証役場に行って公証を受けます。
上記では、翻訳者が自ら公証役場に行って公証を受ける方法をご説明いたしましたが、それ以外に、翻訳者が委任状を発行して、委任された人が公証役場に行って公証を受ける方法というのもあります。
翻訳会社ソリュテックでは、委任状と委任状の捺印を証明するための印鑑証明書をセットにしたものもオプションでご提供しております(1セット 1,050円)ので、そのオプションを使えば、お客様の方で簡単かつ低コストで公証を取付ることも可能です。 詳細は代理人が公証役場に出向いて公証を取付る方法をご参照ください。
公証役場は同じではない
公証役場は日本全国どこでも一緒と思われがちですがそうではありません。 公証役場や担当する公証人によって能力が違います。 経験上大雑把に言えば、地方の公証役場よりも東京など都心部の公証役場が優れています。
では、地方の公証役場が劣る理由は以下のとおりです。
- 地方では翻訳文書の公証作業の案件数が少なく手慣れていないことがある。 その結果、公証まで非常に多くの説明と手間がかかることがあったり、英文で添付する翻訳証明書を逆に日本語に訳した参考資料を求められたりすることもある。
見栄えも悪く非効率。
- 地方の公証役場では、法務局長の公印証明や、アポスティーユ発行・公印認証といった外務省管轄の認証を公証の際に一括して得ることができるワンス トップ・サービスを提供していない。
- 地方の公証役場は公証人が不在となることがある。 そもそも週に何回かしか役場を開けない所もある。 従って、すぐに公証できないことがある。
東京など
ワンス トップ・サービスを
提供している公証役場
(新フロー) |
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地方の
ワンス トップ・サービスを
提供していない公証役場
(旧フロー) |
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| 尚、上記2つのフローを混在させることはできない。 |
翻訳会社ソリュテックに公証取付までご依頼なさりますと、わたくしどもの方で、東京の公証役場に翻訳された登記簿謄本など書類一式を持ち込んで公証の取付を行います。
従って、公証人の印鑑証明や、アポスティーユまたは公印確認(提出先国がハーグ条約加盟国か否かにより自動選択)が付きますので安心で便利です。

| 何社かある登記簿謄本を1本化して公証できる? |
過去、何回か複数の登記簿謄本ならびにその翻訳文書を1つの大きな書類として1本化し、それを公証じた実績がありますので、基本的には問題は無いはずです。
ただし、全ての公証役場が同じように判断するかは不明なので、利用する予定の公証役場に問い合わせるのが一番でしょう。
1本化するにあたっては、フロントページとなる翻訳証明書から全ての書類を呼び出すようにする必要があるものと考えられます。 (フロントページとなる翻訳証明書が全ての登記簿謄本およびその翻訳文書を代表するという考え方です)
1本化した場合の公証役場に払う公証料金ですが、公証役場では書類の枚数に関係なく公証を行いますので、枚数による料金的な違いは生じません。
尚、当然のことですが、ひとまとめに結合され公証された文書は、二度と分解することはできません(分解したら公証の効力は無くなる)ので、最終的な提出先が1ヶ所であり、その提出先が複数の登記簿謄本をひとまとめに扱うことが前提となります。 |
| 登記簿謄本の翻訳証明書に楕円形のNotary ゴム印を押す公証役場と押さない公証役場があるけど何故? |
これは、フロントページとなる翻訳証明書に、楕円形のNotary ゴム印を押す義務というか規定というか、そういうものが無く、楕円形のNotary
ゴム印が押されていなくても公証上の問題はありません。 (どんな感じなのかについては、戸籍謄本翻訳の翻訳証明書のサンプルを同じなので、そちらをご参照ください→戸籍謄本翻訳サンプル―公証後の翻訳証明書)
とは言え、このゴム印が押されているのといないのとでは、最初の見た目が大きく変わります。 ゴム印が押されていると、きちんと公証を受けた文書なのだなという印象を受けますので、翻訳会社ソリュテックおよび翻訳サービス合同会社では、必ず、このゴム印を押してもらうようにしています。(というか、翻訳会社ソリュテックおよび翻訳サービス合同会社が利用する公証役場側は、そこら辺を心得ていて、必ずそのように処理してくれます) |
| 東京などのアポスティーユや公印確認などのワンストップサービスを提供している公証役場では、なぜ提出国の国名を聞かれるの? |
アポスティーユや公印確認などのワンストップサービスを提供している公証役場では、法務局や外務省に代わって事務を行っていると考えられます。
もともと、法務局や外務省では、書類に押された登記官や公証人などの印鑑が真正なものであることを証明したり、書類を国際的に通用するよう認証したりアポスティーユを付けたりするのに、提出国の国名を明確にする必要があるため、その事務をワンストップサービスとして公証役場で行う際、提出国の国名が必要となるわけです。
ワンストップサービスを提供している公証役場では、提出国の国名により、ハーグ条約(ヘーグ条約)の加盟国なのか非加盟国なのかを判断し、それに応じて、アポスティーユを付けるか、公印証明を付けるかといった、選択を適切に行います。
そのようなわけで、ワンストップサービスを提供している公証役場では、提出国の国名を聞かれるのです。 |
関連情報:
登記簿謄本の提出国がフィリピンの場合、法務局より発行された登記簿謄本そのもの(日本語)を重視し、訳文の方は補足資料的な扱いのため公証を必要としていません。
(本記事を執筆している現在における話で、今後どうなるかは不明です) 詳細は、フィリピンに提出する登記簿謄本の認証ワンストップ(開発中) をご参照ください。
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